永住許可申請|2026年・2027年改正と80点1年特例を行政書士が解説

永住許可は、日本での活動や在留期間の制限がなくなる重要な手続です。そのため、在留年数だけでなく、素行、生活の安定、納税・年金・健康保険、入管法上の届出、現在の在留資格に適合した活動などを総合的に審査されます。

このページでは、出入国在留管理庁が公表する最新の一次情報に基づき、永住許可の基本要件、10年在留の原則、高度人材70点・80点の特例、必要書類、転職時の注意点、2026年10月と2027年4月の制度変更を整理します。

目次

重要:2026年10月は「許可条件」ではなく手数料改定の予定です

2026年10月1日に予定されている公式な変更は、永住許可を含む在留許可手数料の改定です。入管庁が2026年7月に公表した資料では永住許可時の手数料を引き上げる案が示されていますが、下書き作成時点ではパブリックコメント手続中のため、確定額は施行前に改めて確認する必要があります。

一方、永住の許可要件に関する主要な制度変更は2027年4月1日です。公租公課の支払や入管法上の義務遵守が法律上明確化され、「3年」の在留期間を最長期間とみなす取扱いも原則終了します。2026年10月の手数料改定と、2027年4月の許可要件の明確化は分けて確認してください。

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永住許可の3つの基本要件

出入国在留管理庁の「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」では、次の3つが基本です。

1.素行が善良であること

法律を守り、社会生活上問題のない生活をしていることが必要です。刑事処分だけでなく、交通違反を含む法令違反の状況も確認対象になり得ます。

2.独立して生計を営めること

生活保護などの公共負担に頼らず、現在の収入・資産・技能、世帯全体の状況から、将来も安定した生活が見込まれることが必要です。単に年収額だけで決まるものではなく、扶養人数、雇用の継続性、転職直後かどうかなども含めて資料を組み立てます。

3.永住が日本国の利益に合すると認められること

  • 原則として引き続き10年以上日本に在留し、そのうち就労資格または居住資格で引き続き5年以上在留していること
  • 納税、公的年金、公的医療保険の保険料を適正に納付していること
  • 入管法上の届出などの義務を履行していること
  • 現在の在留資格について最長の在留期間を持っていること
  • 現在の在留資格に対応する活動・上陸許可基準等に適合していること
  • 公衆衛生上、有害となるおそれがないこと

特に重要なのは納期限です。申請時点で納付済みでも、当初の納期限を過ぎて支払った場合は、原則として消極的に評価されるとガイドラインに明記されています。

10年を待たずに申請できる主な特例

主なルート在留期間の目安主な確認事項
日本人・永住者・特別永住者の配偶者実体を伴う婚姻生活3年以上+日本で1年以上在留など婚姻の実態、同居、家計、身分関係
定住者定住者として5年以上在留状況、公的義務、生計
高度人材70点70点以上を3年以上継続申請時と3年前のポイント・立証資料
高度人材80点80点以上を1年以上継続申請時と1年前のポイント・立証資料
特別高度人材(J-Skip)基準該当後1年以上など活動区分ごとの学歴・職歴・年収

配偶者・子、難民認定を受けた方、補完的保護対象者などは、適用される要件が一部異なります。自分の在留資格に対応する申請区分と提出書類を確認することが出発点です。

高度人材80点・1年特例で特に注意すること

高度専門職の在留資格を持っていない方でも、技術・人文知識・国際業務などで在留しながら、申請時点と1年前の時点の両方で80点以上を立証できれば、1年特例を利用できる場合があります。

  1. 基準日を先に確定する
    「1年前」は暦年ではなく、実際の申請日から逆算した特定日です。申請時期が変われば、年齢、年収、学歴、職歴の基準日も変わります。
  2. 点数ごとに証明資料を用意する
    学位、大学院修了、日本語能力、実務経験、年収、資格、研究実績などは、ポイント計算表に印を付けるだけでは足りません。
  3. 申請時と1年前を別々に検証する
    現在は80点を超えていても、1年前に学位・資格を取得していなかった、年齢区分や年収が違ったなどの理由で80点を下回ることがあります。
  4. ポイントと永住の3要件を分けて考える
    80点は在留期間を短縮する特例です。素行、生計、公的義務、現在の在留活動などの審査が免除されるわけではありません。
  5. 日本で継続して在留していることを確認する
    長期の海外出張・海外赴任などがある場合は、出入国履歴と生活の本拠を個別に確認します。ガイドラインにない一律の日数基準だけで断定しません。

転職予定・転職直後の永住申請

転職があるから直ちに永住申請ができないわけではありません。ただし、審査中に勤務先が変わる場合や、転職直後で収入・在職実績が十分でない場合は、次の点を整理する必要があります。

  • 退職・入社に伴う契約機関に関する届出を期限内に行う
  • 社会保険、年金、健康保険、住民税に空白や納期限後納付を生じさせない
  • 新しい勤務先で現在の在留資格に適合する業務を行う
  • 必要に応じて就労資格証明書の交付申請を検討する
  • 転職前後の給与・在職・職務内容を、申請時点と過去の基準日に分けて説明する

「早く申請する」ことより、どの時点なら事実と資料が最も整合するかを判断することが重要です。永住申請中に現在の在留期限が来る場合は、別途、在留期間更新許可申請が必要です。

公的義務で確認する資料

  • 住民税の課税証明書・納税証明書
  • 国税の納税証明書(その3)
  • 公的年金の加入・納付記録
  • 健康保険・国民健康保険の加入と納付状況
  • 普通徴収期間がある場合の領収証書・通帳記録など
  • 転職・離職・入社に伴う届出の控え

会社員でも、留学から就職した時期、転職の空白期間、副業・普通徴収、扶養家族の状況によって必要資料が変わります。「会社が天引きしているはず」で済ませず、実物の記録で確認します。

2027年4月1日からの重要変更

在留期間「3年」の経過措置が原則終了

2027年4月1日からは、各在留資格で定められた最長の在留期間を持っていることが原則要件になります。2027年3月31日時点で在留期間「3年」を持つ方には、その在留期間内に処分を受ける初回申請に限り、最長期間として扱う経過措置が示されています。

公租公課・入管法上の義務が法律上明確に

改正入管法では、永住許可時の判断要素として、公租公課の支払と入管法上の義務遵守が法律上明確化されます。これは現在の審査でも重視されている事項ですが、許可前だけでなく、永住許可後も納税・社会保険・届出を適正に履行することが一層重要になります。

永住許可申請の主な流れ

  1. 現在の在留資格、在留期間、在留歴、家族関係を確認
  2. 一般ルート・配偶者等ルート・高度人材ルートなど申請区分を確定
  3. 納税、年金、健康保険、届出、出入国履歴を確認
  4. 理由書、身元保証書、了解書、各種証明資料を準備
  5. 地方出入国在留管理官署へ申請
  6. 審査中の追加資料要求や事情変更に対応
  7. 許可時に手数料を納付し、新しい在留カードを受領

永住許可申請中でも、現在の在留資格と在留期限はそのまま管理する必要があります。申請中に期限が来る場合は、在留期間更新許可申請を忘れないようにしてください。

よくある質問

Q.高度専門職の在留資格でなくても80点・1年特例を使えますか?

A.技術・人文知識・国際業務など別の在留資格で在留している方でも、申請時と1年前の両方で80点以上を立証できれば対象になり得ます。入管庁の「永住許可申請4-(1)-イ」に対応する資料を確認します。

Q.税金や年金を後から払えば問題ありませんか?

A.後から完納しても、当初の納期限内に履行していなかった場合は原則として消極的に評価されます。納期限と支払日の実物確認が必要です。

Q.転職すると永住申請はできませんか?

A.一律に申請できなくなるわけではありません。ただし、新しい職務と在留資格の適合性、収入の安定、社会保険の切替、契約機関の届出、申請時と過去のポイント計算などを確認します。

Q.2026年10月から永住の条件が厳しくなるのですか?

A.2026年10月1日に予定されている公式な変更は手数料改定です。許可要件に関する主要な制度変更は2027年4月1日です。ただし、納税・年金・健康保険・届出義務は現行審査でも既に重要ですので、施行前なら問題にならないという意味ではありません。

出入国在留管理庁の一次情報

制度・提出書類・手数料は改定されることがあります。申請時には必ず最新の入管庁ページと、申請する方の在留資格に対応する提出書類一覧を再確認してください。

相模原市・神奈川県央の永住許可申請をサポートします

たてかわ行政書士事務所では、現在の在留資格、在留歴、転職予定、家族状況、公的義務、高度人材ポイントを分けて確認し、資料間の不一致を減らすことを重視しています。許可を保証することはできませんが、申請前の事実確認、必要資料の整理、申請書・理由書等の作成、申請取次、追加資料への対応を行います。

電話相談 050-1721-2633 / 090-2307-2513


本ページは一般的な制度案内です。個別案件の許否を断定するものではありません。最終的な許可判断は出入国在留管理庁が行います。掲載内容は2026年7月30日時点の出入国在留管理庁の公表情報に基づきます。

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